10,407 社 11,655 サイト
環境税とは、環境汚染物質の排出を削減するため、石炭、石油、天然ガス等の化石燃料消費に課する税のことである。環境汚染問題に対して直接的な規制手段ではなく、価格メカニズムを通して汚染防止を図る経済手段として用いられる。すでに北欧や英国など多くの国で導入されている。 具体的には、温室効果ガス排出の原因になっている石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料に課税することによって、化石燃料の使用量を抑制し、CO2などの排出を削減することを目指す内容で、「炭素税」とも呼ばれる。課税方法としては、ガソリンやLPGなどの化石燃料を輸入や蔵出しする段階で課税する上流課税、石炭や天然ガス、電気など、製品販売段階で課税する下流課税が検討されている。しかし、多くの市民が家計の負担増を心配しているほか、産業界からは政府の慎重な対応を求める声が上がっている。 一方、CO2の排出抑制を目的とした炭素税のほかにも、地方自治体が導入している森林環境税・水源税、産業廃棄物税(産廃税)を広義の環境税と呼ぶ場合がある。森林環境税は森林や水源の保全のために、また産廃税は産廃の排出抑制や適正処理の財源確保のために導入された法定外目的税(住民税、事業税、固定資産税以外に地方が独自に課税できる制度)だ。これら地域の税制度は、国の環境税の先行事例として注目される。2009年11月には、宮城県が、税収を自然エネルギーの普及などに充てる環境税の導入を検討していると公表した。